CASE STUDY ③

空港駐車場リノベーションの取り組み

センサを活用した駐車場向けのIoTシステム
2020年開催の東京オリンピック開催に向けて

OUTLINE

本件の概要

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、様々なインフラ整備が進んでいる。その一つが海外からのお客様を迎え入れる空港整備。NTTデータカスタマサービスが手がけたのが、羽田空港駐車場の新たな監視誘導システムの企画立案と設計施工だ。システムの更改期を迎えていた同空港P2/P3駐車場(満室約5,000台)を対象としたもので、より効率的で安全性の高いシステムが求められていた。これに対してIoTを活用したセンサシステムにより空きスペースに車をスムーズかつ安全に誘導するシステムを導入し、さらに駐車場の10,000本の照明をLED化する省エネ対応に取り組み、駐車予約システムも一新した。このプロジェクトに挑んだ3人の話を聞いた。

IoTを活用したセンサによる監視誘導システムの導入

2020年、56年ぶりに東京で開催される、東京オリンピック・パラリンピックに向けて、各所で様々なインフラ整備が進んでいるが、その一つが海外からのお客様を迎え入れる玄関口である空港整備。羽田空港においても、2020年とそれ以降を見据えた機能強化の取り組みが進んでいる。そうした空港周辺整備の一環として、今回NTTデータカスタマサービスが手がけたのが、羽田空港駐車場のリノベーションだ。更改期を迎えていた同空港P2/P3駐車場(満室約5,000台)を対象としたもので、より効率的で安全性の高いシステムが要請されていた。「競争性を持たせて良いシステムに改善する」コンサルティングの依頼がNTTデータカスタマサービスに寄せられ、入札を経て2015年2月にコンサルティング契約を締結、プロジェクトは始動した。そのフロントに立ったのが営業担当のT. Y.である。

「コンサルティングを通じて、駐車場システムを①管理システム(精算機、ゲートなど)、②予約システム、③監視誘導システム、④監視カメラの4つのサブシステムに分割、そこから“餅は餅屋”の考え方でそれぞれの競争性を高めることができるのではないかと想定し、その内容を報告書に盛り込みました。これら4つの中で、当社の力が発揮できる分野が監視誘導システムと考え入札に参加。競合の中、価格点では下回ったもののセンサを使いこなした高度な提案が評価され落札しました」(T. Y.)

ユニバーサルデザインを意識した監視誘導システム

NTTデータカスタマサービスが提案したのは、IoTを活用したセンサシステムだった。彼と共にコンサルティングを進め、新たな監視誘導システムの企画立案を担当したのが、K. N.だ。彼が目指したのは、東京オリンピック・パラリンピック開催に向けユニバーサルデザインを意識した、車誘導の徹底した円滑さと高い安全性である。

「IoTによって、センサ情報を車の監視誘導にフルに活用することを考えました。それは大きく分けて、車室センサ、招き灯、ブロック満室灯の3つの要素で構成されています。車室ごとに設置するセンサは、超音波によって車両の在否を判断。招き灯は3車室に1台の割合で設置し、緑色なら空車、赤色なら満車という具合に色によって空車の状況を案内します。さらに逆走方向は赤色をフラッシュ点灯させることで、逆走車に対する抑止力を高める機能も付加しました」(K. N.)

これらセンサを駆使した制御機器はネットワーク化され、管理サイドも情報を把握できるシステムとした。これによって利用者側のメリットだけでなく、管理者側の機能も充実した。旧システムではブロック単位での空き状況しか把握できなかったが、新システムでは車室単位での案内ができるようになったため、ピンポイントでの誘導が可能となるなど、提供するサービス品質は飛躍的に向上する。さらに管理機能として「迷子車検索」や「長期駐車対策」などの機能を導入したことで、管理コストの低減にも期待できた。そして2016年10月設置工事が始まった。

センサシステムの品質を確保する施工管理を推進

K. N.と共に工事現場のマネジメントを担当したのが、当時新入社員だったK. S.である。施工は1フロアを2週間で工事完了し、全13フロアを順次進めていくというもので、約6ヶ月の工程だった。彼は主に施工後の検査を担当したが、最初から壁に突き当たった。

「駐車場というのは、周知のように壁と柱で構成されています。そのため、場所によってセンサの検知にバラツキが生まれてしまうのです。実際にセンサを取り付け作動させて、センサの検知範囲を見極め、最適なセンサ作動を調整する作業を進めました。最終的には、検査の基準を決めて、機器ごとに検査の質を統一し、センサシステムの品質を確保しました」(K. S.)

センサの信号を送るケーブルの床敷設でも課題があった。通常、ケーブルの敷設は床に埋め込む方法が採用されるが、施設そのものが国有であることから、掘削などの手を入れることはできない。そこで、ケーブルにモールを被せて敷設することで、耐久性と防水性を確保する新たな施工方法も導入された。こうして監視誘導システムは完成し、2017年4月から稼動、目に見えて駐車場内の混雑が緩和され、安全性も高まったことから、お客様から高い評価を獲得した。

照明のLED化と利便性の高い予約システム

さらに、彼らはリマーケティング活動を実施し、駐車場の10,000本の照明をLED化する省エネ対応や予約システムを受注した。LED化工事の施工管理を担当したのもK. S.である。

「照明器具も国有というしばりがありますから、照明装置そのものを変えるのではなく、安定器を切ってバイパス工事を行い、蛍光灯を直管型のLEDに変えるという作業でした。工事は予定通り2017年内に終了することができました」(K. S.)

予約システムも利用者に高い利便性を提供するものだ。旧システムは車番を主キー(ID)として予約する仕組みであったため、数台保有している場合、予約に必要な ID・パスワードを複数持つ必要があった。支払いは現地精算。これらに対して新システムはメールアドレスとパスワードでログインを可能とし、クレジットカード決済を導入。さらにスマートフォンでの対応を可能とした。現在、開発が進められており2018年春に導入予定である。

他空港駐車場や他業態での展開を視野に

彼らはプロジェクトを振り返って、自身が大きく成長できた手応えがあるという。

「これまで経験してきたプロジェクト以上に、お客様に入り込んで、お客様と共に作り上げていく取り組みでした。お客様のために考え動くこと。それを真に実践した、非常に貴重な経験だったと思います。今後もお客様の立場に立ち、お客様が求めるものを的確に把握して、業務に臨んでいこうと思っています」(K. N.)

K. S.にとっては、入社後配属されて、最初に参加したプロジェクトだった。

「真っ白な状態で現場に入りましたから、見るもの聞くものすべてが勉強だと思って貪欲に吸収しました。まさに学びの時期だったと思います。特にLED化工事では自分が主体になってやり遂げた達成感がありました」(K. S.)

今回、NTTデータカスタマサービスが取り組んだ「空港駐車場リノベーション」は、様々な業界から注目を集めている。それを受けて、プロジェクトのプロデューサー的役割を担ったT. Y.は、すでに近い将来の展開を視野に入れている。

「国内の空港は民営化という大きな流れがあります。その中で、空港運営にとって駐車場収益は発着料やテナント料とならぶ収益の柱であり、効率性やサービス向上はより一層求められてくると思います。今回培った知見を武器に、他の空港や他の業態でビジネスチャンスをキャッチしていきたいと考えています」(T. Y.)

彼らの次のアクションが、次代のNTTデータカスタマサービスを創造し、その進化を牽引する一翼を担っていく――。

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本件の概要

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、様々なインフラ整備が進んでいる。その一つが海外からのお客様を迎え入れる空港整備。NTTデータカスタマサービスが手がけたのが、羽田空港駐車場の新たな監視誘導システムの企画立案と設計施工だ。システムの更改期を迎えていた同空港P2/P3駐車場(満室約5,000台)を対象としたもので、より効率的で安全性の高いシステムが求められていた。これに対してIoTを活用したセンサシステムにより空きスペースに車をスムーズかつ安全に誘導するシステムを導入し、さらに駐車場の10,000本の照明をLED化する省エネ対応に取り組み、駐車予約システムも一新した。このプロジェクトに挑んだ3人の話を聞いた。

PROFILE

プロフィール

  • T. Y.

  • ファシリティエンジニアリング事業部
    営業担当 課長
    2000年入社
    理工学研究科 材料工学専攻

  • K. N.

  • ファシリティエンジニアリング事業部
    環境・インフラ担当 課長代理
    2007年入社
    環境学研究科 資源循環学専攻

  • K. S.

  • ファシリティエンジニアリング事業部
    環境・インフラ担当
    2016年入社
    経営学部 経営学科卒