CASE STUDY ④

無線ネットワークの取り組み

全国の公衆無線LANアクセスポイントの
運用・保守業務の支援

OUTLINE

本件の概要

スマートフォンの急速な普及を受けて「Wi-Fiスポット」が急速に拡大している。その数、全国で150,000台にも及ぶ。NTTデータカスタマサービスは、このアクセスポイントのオンサイト(現地)保守、機器監視、故障手配、運用業務をトータルにサポートしている。2007年に全国で6,000台のオンサイト保守を受注したことを端緒に、80,000台へと拡大する大規模なプロジェクトが立ち上がった。その計画はすでに達成され、運用方法の改善、保守品質の向上など新たな課題解決を次々と提案し続けてきた。「スマートスタジアム」の提案もその一つ。ますます増える外国人観光客に必須ともいえる公衆無線LANの拡充に向けて、終わりのない取り組みが続いている。

スマートフォンの急速な普及で拡大する「Wi-Fiスポット」

現在、スマートフォンの急速な普及を受けて、公衆無線LANサービスのAPも拡大、ユーザーの利便性も飛躍的に向上している。公衆無線LANサービスのAPとは、より身近な表現を使えば「Wi-Fiスポット」のことだ。公共施設や駅、空港、飲食店、コンビニエンスストアなど、各所で「Wi-Fiが使える」環境が整備されていることは、多くの人が実感していることだろう。NTTデータカスタマサービスは、このAPのオンサイト保守、機器監視、故障手配、運用業務をトータルにサポートしている。その歴史は、2007年にオンサイト保守を受注したことから始まる。故障発生時にオンサイト(現地)で対応するサービスだ。当時のAPは全国で6,000台。そして2012年、スマートフォンが爆発的に拡大普及、公衆無線LAN環境の整備が求められた。それを受けて、公衆無線LANサービスを提供していた通信事業者は、データ通信を公衆無線LANに負荷を軽減するため、AP6,000台を80,000まで一気に増やす計画を提示してきたのである。ここでの「負荷を軽減」とは、スマートフォンなどの携帯電話のデータ通信量の増大による通信障害を解消するため、データ通信を携帯電話網以外へ振り替えて負荷を分散することだ。つまり公衆無線LANスポット(Wi-Fiスポット)に誘導することを指す。そのためにAP80,000台の設置が計画されたのである。それに対応するため、NTTデータカスタマサービス内に、新たにプロジェクトチームが立ち上がった。

運用スタイルの確立と監視システム運用の課題解決

2012年、プロジェクトのリーダとして参画したのが、ITサービスマネジメント事業部のM. O.である。アサインされたとき彼は、「お客様にとっても初めての試みであり、80,000台の規模感は把握できず、どのような形で実現可能なのか想像できなかった」という。彼がまず着手したのは体制の確保だった。6,000台から80,000台への拡大であるから、10倍以上の故障対応をこなす体制を準備する必要があった。
「新たなオペレーションや設備増に伴う新しい運用システムにも対応しつつ、人員増を図るなど、スケールを拡大して取り組む体制を整備しました。しかし当初は、様々な困難に突き当たりました。その状況を乗り越えるべく、運用に関わる全員が一丸となって課題に取り組み、運用スタイルの確立を進めていったのです」(M. O.)

課題の一つに監視システムの運用があった。APが異常を検知するとセンタの警告などが鳴りAPの異変を検知するという仕組みだ。しかし、APが設置されている場所やその管理者の都合によって、稼働が制限される事態が発生した。たとえば飲食店。営業中、APは稼働しているが、閉店後に電源を落とした場合、それを異常と検知する事態が多発したのだ。どうすれば、正常な検知が実現できるか。APの異変に対しては電話による連絡から対応がスタートするが、その際の情報を蓄積していくことで、各AP特有の事情を把握、「異常を検知しても故障ではない」状況と実際の故障を切り分ける作業を進め、問題を解決していった。

保守に要望されるコスト削減。常に追求する新たな運用方法。

2015年に、S. H.が営業担当としてプロジェクトに参加した。お客様と持続的な関係を構築し業務拡大を図ることが、そのミッションである。そのためにはお客様の課題を抽出して解決に向けた提案をするとともに、通常の運用業務の中でお客様に確かなベネフィットを提供していくことが求められた。

「かつてのAP80,000台計画はすでに達成され、現在、APは150,000台にまで拡大しています。APの拡大とともに必然的に保守コストも連動して上昇します。しかし、保守にはできる限りコストをかけたくないのがお客様の本音。これは、他の案件でも共通することです。開発や構築・工事などに必要とされるコストには、一定の理解・納得がありますが、保守にかかるコストは削減したいという要望は常に存在します。高い保守品質を保ちつつ、コスト削減の要望に応えていくためには、ITサービスマネジメント事業部と強く連携して、新しい効率的な運用に取り込んでいく必要があります」(S. H.)

お客様に寄り沿い、より効率的かつ合理的な運用方法を提案していくこと。その実現のために「自分で考え自分で動き、周囲を巻き込んでいく」ことが、彼女の変わらない営業スタンスである。

AP復旧マニュアルで運用・保守品質の向上に貢献

2017年に入社したI. I.が、研修を経て配属されたのが、このプロジェクトチームだった。担当は新設エリアの「運用・保守資料の作成」、なかでも故障時の対応マニュアル作成だった。昨今、公衆無線LANは通信インフラとして社会的に認知されており、サービス提供停止期間を最小限にすることが命題だ。もともとマニュアルには基本的なひな型が用意されているが、設置エリアごとに連絡先や登場人物が異なるので、そういった内情を事前にきちんと整理するのが仕事である。時にはそのAPだけの特有な事情があるため、そうした点を抜き出して特に注意を要する作業内容として特別に記載することもある。きめ細かな対応が求められる。

「速やかにAPを復旧させることが目的。現場を想像しながら自分で考えてベストを探ります。どのような記述内容にするかを考え、できるだけ現場への気配りをプラスアルファして血の通ったマニュアルを作ること。それがオンサイトのオペレーターの作業品質を高め、会社全体の運用・保守品質を向上させることにつながります。そのように自分の仕事を理解できたとき、それまでにも増し、強いやりがいを感じるようになりました」(I. I.)

日本の「Wi-Fi」環境を保守し、新たなICT環境を創造

現在、彼らの取り組みは、さらに広がりを見せている。その一つが「スマートスタジアム」。サッカー競技場などのスタジアムに設置されたAPを通じて、インターネットに快適に接続、さらに電波に乗せてスタジアム内で楽しめるコンテンツやサービスを配信するという取り組みだ。たとえば、席を離れても応援を続けられる情報の配信や、スマートフォンで目の前の試合に連動した映像番組の視聴や見逃した番組をアプリ上で楽しむことも可能だ。これらはまだ、一部のスタジアムに限られる試行的なものだが、彼らはAPの安定稼働を保守しつつ、配信するコンテンツの検討など、新たな領域への挑戦も始まっている。
「日本は観光立国を目指している、という広い視野に立って考えた場合、外国からのお客様を迎え入れる際に Wi-Fiは必要不可欠なインフラであることは間違いなく、今後一層の拡充が求められます。単にインターネットにつながるだけでなく、エリアに特化したコンテンツ配信など、利便性、快適性を有したWi-Fi環境の構築も必要でしょう。それらを支えるのが私たちの仕事です。確かなやりがいの実感がありますね」(M. O.)

その手応えが、チームを前進させる原動力である。

 

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本件の概要

スマートフォンの急速な普及を受けて「Wi-Fiスポット」が急速に拡大している。その数は国で180,000台にも及ぶ。NTTデータカスタマサービスは、このアクセスポイント(以下APとする)のオンサイト(現地)保守、機器監視、故障手配、運用業務をトータルにサポートしている。2007年に全国で6,000ヵ所のオンサイト保守を受注したことを端緒に、80,000台への拡大する大規模なプロジェクトが立ち上がった。その計画はすでに達成され、運用方法の改善、保守品質の向上など新たな課題解決を次々と提案し続けてきた。「スマートスタジアム」の提案もその一つ。ますます増える外国人観光客に必須ともいえる公衆無線LANの拡充に向けて、終わりのない取り組みが続いている。

PROFILE

プロフィール

  • M. O.

  • ITサービスマネジメント事業部
    第一アドバンストサービス部
    システムサポート担当 課長
    2001年入社
    電気通信学部 情報工学科卒

  • S. H.

  • 営業本部
    法人営業部 NTT営業担当
    2013年入社
    法学部 法律学科卒

  • I. I.

  • ITサービスマネジメント事業部
    第一アドバンストサービス部
    システムサポート担当
    2017年入社
    工学部 情報工学科卒