CASE STUDY ①

テレワーク環境構築の取り組み

コロナ禍で急務となった
テレワーク環境構築を3ヶ月で実現

OUTLINE

本件の概要

ITを活用したテレワーク環境の構築は、働き方改革の一環として、企業の重要課題になっているが、ITの専門家がいない多くの企業はこの対応に苦戦している。そんな中、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大は、テレワーク環境構築を待ったなしで迫り、ここで紹介する公共団体も例外ではなかった。NTTデータ カスタマサービスは最新のテクノロジーとノウハウを駆使し、クラウドと既存のシステムを融合したテレワーク環境を短期間で構築。セキュリティとユーザの使いやすさを高いレベルで両立させたシステムを、ユーザと一体となって開発することで、高い技術力と顧客ニーズへの対応力を証明した。

テレワーク環境を短期間で構築する難題に新サービスで対応

公共性の高いサービスを全国に提供するある団体からNTTデータカスタマサービスに、「テレワーク環境を3ヶ月で構築できないか」という打診があったのは2020年8月だった。
この団体では各職員が使用するパソコンのデスクトップ環境を仮想化し、サーバに集約して稼働させるVDI(仮想デスクトップインフラストラクチャ)という仕組みを使用していた。この状態からテレワーク環境を構築するには、VPN(仮想プライベートネットワーク)を活用する方法が一般的だが、VPNでは新たに装置を購入して設置し、必要な設定を行うのに時間がかかる。既存のアプリやクラウドのサービスを活用すれば時間は短縮できるが、使い勝手やセキュリティに不安がある。
この団体のVDI構築を手がけたIT業者にテレワーク環境構築のノウハウがなかったため、取り組みは遅々として進まなかった。この団体のOAシステムの構築・保守を担当しているNTTデータを通じてNTTデータカスタマサービスに声がかかったのは、テレワーク環境構築にも対応できるクラウド型サービスを手がけていたからだ。公共機関の営業を担当するT.H.は、早速ソリューション事業部のR. N.とK. H.に相談し、チームで対応をスタートした。
「当社では、XiFrame(ザイ フレーム)※1というクラウド型の新しい仮想化デスクトップ環境サービスの提供をスタートしたところでした。これを活用すれば、テレワーク環境も構築できます。ユーザのニーズに合わせてカスタマイズして導入できれば、実績ができ、新しいサービスの拡販にもつながると考えました」(T. H.)
「このXiFrameはクラウドや、ユーザ側のサーバシステム、パソコン端末の機能をフレキシブルに設定できるため、お客様のニーズに合った環境を実現できるというメリットがあります。これを活用することで、セキュリティレベルが高く、使い勝手のよい環境を短期間で構築できると考えました」(K. H.)

XiFrame(ザイ フレーム)
米国Nutanix社が販売するクラウドを活用したDaaS(Desktop as a Service=専用のサーバを必要としないサービスとして提供されるデスクトップ環境)。ユーザのニーズに合わせてカスタマイズして利用できる。

お客様に基本操作を実演しながら、一緒にシステムを作り上げていく

ユーザの代表と話をする中で彼らがまず感じたのは、テレワーク環境で働くことを具体的にイメージできていないということだった。これが明確にならないと、ユーザ側のサーバとクラウドの役割分担、リモートワークで自宅や外で使用するノートパソコンの接続やユーザの認証方法、データの保管方法といったことが決まらない。そこで次のミーティングでは、NTTデータカスタマサービスでXiFrameのサービスを立ち上げた専門家にリモートで参加してもらい、リモート接続やテレワークでの作業などの基本操作を実演しながら説明した。
そこからさらにミーティングを重ね、ブラウザから手軽にアクセス可能なこと、作成したデータはクラウドにもノートパソコンにも残さない設定が可能で、セキュリティ上も安心だといったことを、ひとつひとつ仕組みを紙に書いて説明しながら、クリアにしていった。
「打ち合わせにはヘルプデスクとして常駐しているNTTデータのエンジニアにも、お客様側の一員として参加してもらい、疑問を代弁してもらったり、私たちが知らない事情を説明してもらったりしました」(T.H.)
この団体には色々な部署があり、使用するシステムが異なる部分もあるため、各部署の代表にもヒアリングし、テレワークをどのように実現するかを深掘りしていった。特に重視したのは、ただ技術的なことを正確に話すのではなく、ユーザそれぞれの業務がそれによってどうなるかを常に意識して話すことだった。それによってユーザ側からより具体的な要望や疑問が引き出され、使い勝手のよいシステム構築につながっていく。
「単なる打ち合わせというより、お客様と一緒にシステムを作り上げていったという方が事実に近いと思います。一見、時間と手間がかかって非効率に思えるかもしれませんが、実際にはこうしてお客様と一体化することが、短期間で最適なシステムを作ることを可能にしたのだと思います」(K.H.)

関連するシステムの開発・運用業者も巻き込んで構築を加速

このプロジェクトにはもうひとつ問題があった。この団体で稼働している様々なシステムの開発・運用をそれぞれ異なる業者が担当していることだった。テレワーク環境を構築するには、こうしたシステムの業者とも調整を行う必要がある。最初はどのようなシステムが稼働していて、どの業者がそれを担当しているのかがわからず、NTTデータの常駐スタッフの助けを借りながら、ひとつひとつ割り出して、連絡をとった。しかし、どの業者も忙しく、他社が手がける案件のためになかなか時間を割いてくれない。この状態が続くと大きな時間のロスにつながりかねない。ここで事態を打開してくれたのは、ユーザ側の積極的な協力だった。ユーザが直接号令を発することで、業者たちの対応が変わった。
「通常の勤務時間中に全員のスケジュールを合わせるのは難しいので、最終的には朝8時にお客様の会議室に集合してもらい、お客様と一緒に調整をしていきました。これもこのテレワークシステムを一緒に作っていこうという思いがお客様と共有できていたからできたことです。そこからは、お客様だけでなく、他の業者も巻き込んでシステムを作り上げていくことができるようになり、さらにスピーディーな進行が可能になりました」(T.H.)

使いやすさとセキュリティを両立させたテレワーク環境が実現

こうして12月、テレワーク環境が完成した。従来のデスクトップ環境をそのままリモートで使えるのでユーザにとっては使い慣れた環境だ。リモート端末としてノートパソコンが各職員に配布され、リモートからのアクセスはブラウザからクラウドを通じて行うことができる。クラウド上のシステムは接続などの機能のみを担うので、業務を通じて作成・加工したデータは、クラウドに残らない。ノートパソコン内のデータも、操作が停止した状態で設定時間を過ぎると自動的に消える仕組みを採用したので、データはお客様側のサーバにだけ残る。つまりオフィス外に持ち出したノートパソコンが万が一盗難に遭ったり、紛失したり、不正にアクセスされたりといったことが起きても、情報が漏洩する心配はない。※2
「一般的にクラウドを活用したシステムには、データの加工や保管をクラウド側で行うやり方が可能ですが、これでは情報を外部に置いてしまうのはセキュリティ上不安があります。そのため、データはクラウド上にもリモート端末にも残さず、お客様側のサーバで一括保管することになりました。クラウドを使用する場合、オンプレミスで(ユーザ側のシステム環境で)どこまで行うかの役割分担がとても重要です。あまりクラウドに任せすぎると、セキュリティや利便性に問題が生じることがあるからです。お客様の業務内容やニーズに合わせて、クラウドとオンプレミスをうまく組み合わせることができたおかげで、お客様に高い評価をいただくことができました」(K.H.)

※2 こうしたユーザのクライアント側の端末に重要な情報を保持しない方式をシンクライアント(ThinClient)といい、リモートシステムでセキュリティを維持する方法として採用する企業は多い。

お客様と一緒にシステムを構築し、今後のシステム業界のあり方を開拓

完成したテレワーク環境の稼働にあたっても、まず説明会を開いて、各ユーザが触れながら、操作を覚えられるようにした。しかも、最初に各部署の代表を対象に説明会を開き、実際に使ってもらった上で意見を聴き、システムを調整。さらに全員を対象とした説明会を開き、使ってもらいながら意見を聴き、最終的な微調整を行うという手順を踏んだ。これによってユーザ全員がテレワーク環境の操作を習得し、スムーズに本稼働へ移行することができたのだった。
このお客様と一緒にシステムを作り上げるというやり方は、ある意味これからのシステムインテグレーションのあり方を象徴しているといえる。
「従来型のシステム開発のように、業務分析から要件定義、システム設計、構築へと順を追って進めていくやり方は、お客様にITの専門部署がある場合はいいかもしれませんが、そうでない場合はニーズに合ったシステムを効率的に作ることは難しい。当社のようにお客様に寄り添っていくやり方こそ、日本のICT活用、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していく方法だと思います」(R.N.)
「当社はこれまでお客様に密着しながら、OA機器や関連システムの導入から保守・運用まで提供するビジネスを主体にしてきましたが、今後はXiFrameのように時代が求めるシステムを、お客様が本当に求めている使いやすいサービスとして構築・提供するビジネスを展開していくことになるでしょう。その意味でも今回の案件は、当社の未来を切り拓くプロジェクトになると思います」(T.H.)

OUTLINE

本件の概要

ITを活用したテレワーク環境の構築は、働き方改革の一環として、企業の重要課題になっているが、ITの専門家がいない多くの企業はこの対応に苦戦している。そんな中、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大は、テレワーク環境構築を待ったなしで迫り、ここで紹介する公共団体も例外ではなかった。NTTデータカスタマサービスは最新のテクノロジーとノウハウを駆使し、クラウドと既存のシステムを融合したテレワーク環境を短期間で構築。セキュリティとユーザの使いやすさを高いレベルで両立させたシステムを、ユーザと一体となって開発することで、高い技術力とお客様のニーズへの対応力を証明した。

PROFILE

プロフィール

  • R. N.

  • ソリューション事業部
    システムインテグレーション部
    プラットフォーム・サービス担当 課長
    2005年入社
    工学部 知能生産システム工学科卒

  • K. H.

  • ソリューション事業部
    システムインテグレーション部
    プラットフォーム・サービス担当
    2017年入社
    コンピュータサイエンス学部  
    コンピュータサイエンス学科卒

  • T. H.

  • 営業本部
    第二公共営業部 第二公共営業担当 主任
    2016年入社
    理工学部 理工学科卒