センター全体の省エネ化が急務。
すぐにでもエネルギーのムダを見つけたい。

-株式会社マリンアクセス様(旧:アクセスフレッシュ加工株式会社様)-

株式会社マリンアクセス様は、水産・畜産・青果、生鮮三品の輸入販売を取り扱う「加工機能」を備えた低温食品問屋である。 その中でも、世界各国から輸入された刺身用冷凍マグロを扱う静岡センターは、年間取り扱い量が3万トンにも上る冷凍保管倉庫、加工センターを運転している。 マイナス60度の超低温冷凍設備を8基使用しているため、エネルギー使用量の削減は恒久的な経営課題である。 同社は、超低温冷凍庫をはじめとした冷凍設備の契約電力の節減、さらには静岡センター全体の省エネを図る必要があると判断、 そのためのエネルギー管理を行うエネルギー監視ソリューションの「Remote One」を2009年6月に導入した。

導入前の課題

  • 電力会社との契約電力を削減したい
  • エネルギー使用量そのものを削減したい
  • 効果的デマンドコントロールができず省エネ対策ができない

導入後の効果

  • 契約電力・エネルギー使用量の削減に成功。その結果、導入費用は当初予定の4年から2年の短期間で回収できる見込み
  • 冷凍設備だけではなく静岡センター全体でのエネルギーの「見える化」を実施。効果的なデマンドコントロールでエネルギー使用量が削減できた。
  • 社員一人ひとりの省エネに対する意識が変わった。

原油高騰で自家発電が停止、それまでの省エネ対策が暗礁に。

写真 常務取締役 白石博史様

常務取締役 白石博史様

エネルギー使用量の大半を占める冷凍設備の節電対策は以前から進められており、以前は自家発電設備によって、電力会社との契約電力を380kwに抑えていた。 しかし、原油価格高騰により自家発電が中止となり、冷凍設備は夜間電力での運転、昼間の運転はデマンドコントロールでの対策を実施していた。 しかし、デマンド値は1,100kwを超え、その抑制は急務となっていた。
 常務取締役の白石博史様は、「現状のデマンドコントロールの調整で対応を試みましたが前室の温度上昇等の問題で調整が難しく、節電対策が暗礁に乗り上げていました」と振り返る。

デマンド制御だけでなく、エネルギー使用量の削減に関する提案が決め手。

写真は作業場から。超低温冷蔵庫へマグロが保管される。

写真は作業場から。
超低温冷蔵庫へマグロが保管される。

マグロの鮮度を保つにはマイナス60°Cにする必要がある。

マグロの鮮度を保つにはマイナス60°Cにする必要がある。

その状況でNTTデータカスタマサービスから提案されたのが、「Remote One」による静岡センター全体の"エネルギーの見える化"と"デマンド制御"による夏場のピーク電力抑制案だった。 「最初の現場診断で、作業場のエアコンをデマンド制御すべきといきなり指摘されたのには驚きました」と白石様は振り返る。 そして「単にデマンドコントロールをする提案ではなく、具体的なエネルギー使用量の削減方法や、省エネ法改正も踏まえた将来的なビジョンが明確だったことがNTTデータカスタマサービスさんのシステムを導入した理由です」とその決め手を話す。
導入したのは、静岡センター全体のエネルギー使用量を計測し、各施設の運転状態を把握、操作・制御を自動化する設備一式。 さらに、個別センサーごとのエネルギー使用量や機器の監視情報など細かなデータがわかる定期報告書である。 「今まで見えなかった各機器のエネルギー使用状況が数値として顕在化できたことで、省エネ策の何が本当に成果を上げたのかが分かり、より効果的な施策を打てるようになりました」と白石様は語る。

定期報告書の「見える化」でムダを見つけ、静岡センター全体のエネルギー使用量削減に成功!

作業場も含め、静岡センター全体のエネルギー使用量が「見える化」された。

作業場も含め、静岡センター全体のエネルギー使用量が「見える化」された。

定期報告書によりエネルギー使用量が"見える化"されたことで、省エネに対する意識が大きく変化したという。 「10本ある蛍光灯を1本外せば、1割のエネルギー量を減らせると明確に気付かせてくれました。 削減・低減する方法が具体的に見えて積極的に試せます」と白石様。
例えば、廃水処理設備の貯留タンクは24時間体制でブロワポンプを運転し酸素を送っていたが、定期報告書のデータからムダを発見。 そこで、タイマーを取り付けて間欠運転を始めてみたら、1日7時間運転でも機能に影響が出ないことが判明した。 また、一部の冷凍設備は報告書のデータから運転方法を細かく調整することで休日に限っては、間欠運転できるようになったのである。 「今までは、静岡センター全体での数値を見てしまっているから、何が奏功したのか分からない。 それが詳細な数値として見える化されたことで、我々の省エネに対する発想も広がっているのです」と白石様は未来への展望もイメージする。

目標だった契約電力の削減に成功!予想以上の省エネ効果を元に、次のステップへ。

定期報告書はお客様に合わせて事前にカスタマイズ可能。エネルギー削減対策の情報として利用している。

定期報告書はお客様に合わせて事前にカスタマイズ可能。
エネルギー削減対策の情報として利用している。

定期報告書には、各機器の30分ごとのエネルギー使用量が詳細に記載されている。これにより窮地を救われることもあったという。
「定期報告書の実績データをもとにNTTデータカスタマサービスさんと協力して電力会社に交渉した結果、契約電力を下げることに納得してもらえました」と白石様。 詳細なデータがあったからこそ、無事契約電力の削減にこぎ着けたのである。
これからは、定期報告書を活かし、照明もLEDへと省エネタイプに切り替える予定だという。 「今までは、"もったいない、まだ使える"という価値観で交換時期を判断していましたが、これからは省エネ率を計算した上で交換時期を判断していきます。 ただし、"安全性の問題から、LED化は少し様子をみるべき"というアドバイスをNTTデータカスタマサービスさんからいただいているように、一つひとつ見定めながら、より戦略的な省エネ対策を一緒に展開していきたいと思っています」と白石様は話す。

導入費用は当初の半分の2年で回収する見込み。社員一人ひとりの省エネに対する意識も変えた。

導入後の効果として契約電力が1,022kwに。エネルギー使用量も前年比10%以上の削減に成功!

導入後の効果として契約電力が1,022kwに。
エネルギー使用量も前年比10%以上の削減に成功!

契約電力が1,022kwに変わったことで、年換算すると140万円ほどの削減になる。また、使用量でも年換算200万円ほどの削減を達成し、2年以内で回収できる見込みだ。 白石様は、「利益ベースでの200万、300万円の削減は非常に大きく、エネルギー削減は単なる環境活動ではなく攻めの施策にもなる。 今後は、静岡センターでの実績をもとに、マリンアクセス全体のネットワークをつないで全社的な横展開もNTTデータカスタマサービスさんと一緒に考えていきたいですね」と語る。
「Remote One」による成果は、これからも広がり続けると白石様は見ている。最後にこのシステムを導入した結果として、次のような効果があったと話す。
「現場からは、"エネルギー使用量をタイムリーに見たい"という要望が出ています。今回導入したシステムによってエネルギー量を削減するだけではなく、見える化された情報をもとに一人ひとりがムダに気付きはじめました。導入からわずかな期間ですが、見える化から得たデータを最大限活用する意識が静岡センター全体に芽生えています」

株式会社マリンアクセス様が導入した「Remote One」システム図

システムのポイント

  • エネルギーの見える化と定期報告書の制作支援を実施
  • エネルギー使用量収集の自動化による管理コストの削減に成功
  • 故障などが起きた場合の警告・アラーム対応
システムのポイント

お客様情報

株式会社マリンアクセス
静岡センター外観

会社名 株式会社マリンアクセス
(旧:アクセスフレッシュ加工株式会社)
資本金 50百万円
株主 株式会社日本アクセス(100%)
従業員数 145名(2011年10月1日現在)
ホームページ http://www.marine-access.co.jp/(外部サイトへ移動します)

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お客様事例: 株式会社マリンアクセス様 [2ページ:3,080KB]

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