図書館システムを強化し、利用者サービスを向上させたい。

-青森市民図書館様-

地域コミュニティの中心を担う図書館をめざして。


 青森駅前の商業施設内にある青森市民図書館様。憩いの場として市民に親しまれていると同時に、市外通勤者や観光客からも広く利用されている。 2001年1月のオープン以来、利用者の利便性向上のため図書館情報システムの運用を模索してきた。 その後、社会環境の変化とともにサーバ負荷の増大やインターネットを使ったサービスの拡充、配本所や地元小中学校との連携など新たな課題も浮上してきた。
 そして、システム更新を迎えた2011年。これらの課題をクリアするNTTデータカスタマサービスと NTTデータ九州の連携による提案を採用。 色々なアイディアの中から特に、各学校で利用している既存図書システムを生かし、市民図書館との連携の仕組みを考えた柔軟な提案が評価された。 地域コミュニティの中心を担う図書館を目指し、これからも利用者のニーズに沿ったサービスを提供していくために、 より良い図書館情報システムを作り上げていく。

導入前の課題

  • 開館時間が長く、休館日も少ないためサーバに負荷がかかっている。
  • 現状のシステムでは小中学校との連携をはじめ、多種多様な利用者ニーズへの対応が難しい
  • 日々のニーズに迅速に対応できる効率的な図書館システムが構築できていない

導入後の効果

  • 24時間365日のサポート体制と、サーバダウンリスクの回避を実現
  • ウェブ機能や予約機能の強化による利便性の向上
  • 小・中学校の図書館システムとのネットワークづくりで地域との連携を強化
  • システム開発者との密なコミュニケーションにより、日々のニーズに迅速に対応

図書館情報システムの高度化と、サーバ負荷への対応

写真(左):主任司書 鈴木 謙一郎 氏、写真(右):主任司書 菅谷 悦一 氏

写真(左):
主任司書 鈴木 謙一郎 氏

写真(右):
主任司書 菅谷 悦一 氏

 近年、図書館情報システムの高度化が進んでいる一方で、サーバにかかる負荷の増大が多くの図書館における共通課題となっている。 特に、青森市民図書館様は大規模商業施設に入店しており、開館時間も長く、業務用端末はほぼ年中無休で稼働しているため、一般的な図書館よりもサーバへの負荷が高い。
 主任司書の菅谷悦一氏は「とくに夏場は気温上昇によりサーバが不具合を起こす傾向にあり、過去に何度かダウンしたこともありました。 これらの不具合をいかに改善できるかが今回のシステム更新におけるポイントでした」と語る。 また、「これまでは予算の確保が難しく、保守期間が過ぎても騙しだまし使っていた状態で、何かトラブルがあるたびに対応が必要でした。 システムを更新するまでは、かなり冷や冷やしながら運用していましたね。 最終的には、サーバを完全に入れ替えられるようにハードウェアをまるごとバックアップ用として用意してもらいました。 青森駅前に立地していることから、市民だけなく、観光客や市外からの通勤者などの利用者も多いため、 ウェブ機能や予約機能を充実させて効率的にご利用いただきたい、というのも課題のひとつでした」と同じく主任司書の鈴木謙一郎氏。

サーバダウンを回避する仕組みを構築。
図書館運用の改善に貢献するプラスαの提案も

サーバラック

サーバラック

 これらの課題を解決するために、今回のシステム更新で主に提案したのが「バックアップシステムの構築」と「保守サポート体制の強化」である。 データベースのバックアップを検索システム側に持たせることで、万が一サーバがダウンしても復旧までの仮運営が可能になり、 短時間で復旧できるようにシステムを構築。さらに、自動的にバックアップされるようになったため、 これまで図書館スタッフが毎朝行っていたバックアップテープの入れ替え作業も無くなり、スタッフの作業軽減にもつながった。
 また、NTTデータ九州との連携により、ソフトウェアのトラブルについては24時間受付のヘルプデスクを設置。 ハードウェアについてはNTTデータカスタマサービスより不具合から30分以内で駆けつけることができる体制を整えた。 地域に12か所ある配本所にも新たにOPACを設置したため、管理する機器は増えたが、遠隔管理できるように設計したことで作業負荷を最小限にしている。 このように、単なるサーバ不具合の対策だけでなく、図書館の運用効率の改善も実現したことが今回のシステム更新における大きなポイントとなっている。

既存システムを有効活用する柔軟な提案を評価
地元小・中学校との情報共有を可能に

図書館の児童コーナー

図書館の児童コーナー

 さらにもう一つ課題として挙げられていたのが、地元小・中学校の図書館との連携である。 「地域の子供たちにもっと図書館を活用してもらいたい」という思いから、これまでも移動図書館サービスなどの学校支援事業を定期的に行ってきたが、さらに踏み込んだ連携のためにも市民図書館と学校図書館を横断検索できるような運用ができないかと模索してきた。 ただ、それを実現するためには、各学校で導入していた既存システムとの親和性をどう保つかという問題もあった。 そこで提案したのが、各学校の図書館から吸い上げた図書データに市民図書館の図書データを付加したものをネットワークで共有するという構成である。 これにより、既存システムを有効活用しながら無理なく連携を深めることが可能となった。

業務効率が格段に向上。切り替え作業もスムーズに

切り替え後はサーバの負荷が軽減されているためか、処理能力が上がったように感じ、窓口業務でのタッチパネル方式の導入を採用したことによって業務効率が格段に向上。また、利用者からは図書館内の検索端末「OPAC」が使いやすくなったという声も。

切り替え後はサーバの負荷が軽減されているためか、処理能力が上がったように感じ、窓口業務でのタッチパネル方式の導入を採用したことによって業務効率が格段に向上。
また、利用者からは図書館内の検索端末「OPAC」が使いやすくなったという声も。

 システムの切り替えに要したのは約2日間。分刻みのスケジュールの中で、スムーズに更新が行われた。 「切り替えの際も大きなトラブルは無く、安心してお任せできました。切り替え後はサーバの負荷が軽減されているためか、 処理能力が上がったように感じます。窓口業務でのタッチパネル方式の導入をご提案いただいて採用したことによって業務効率が格段に向上しました。 また、利用者からはOPACが使いやすくなったという声もいただいています。運用開始間もないため、これから周知していく必要がありますが、貸出延長機能が追加されるなど利用者の利便性が向上したことも大きいですね」(菅谷・鈴木両氏)。

より利便性の高いシステムづくりのために

私たちを含め、学校側の意識改革が起きたというのも大
きな収穫の一つだと感じています。今後はクラウド方式というのも検討していきたいと考えています。

私たちを含め、学校側の意識改革が起きたというのも大きな収穫の一つだと感じています。
今後はクラウド方式というのも検討していきたいと考えています。

開発担当の方と直接コミュニケーションをとりながら進めていけるので非常に助かっています。今後もご協力を仰ぎながらさらなる利便性の向上を目指していきたいです。

開発担当の方と直接コミュニケーションをとりながら進めていけるので非常に助かっています。
今後もご協力を仰ぎながらさらなる利便性の向上を目指していきたいです。

 今回のシステム更新により、意図していなかった副次的な効果も現われている。 「これまではこちらがやりたいと思ってもなかなか実現しなかったのですが、学校側から『学校間の図書館情報の連携もやってみたい』 といった声をいただくようになりました。 私たちを含め、学校側の意識改革が起きたというのも大きな収穫の一つだと感じています。 また、今回は採用には至りませんでしたが、今後はクラウド方式というのも検討していきたいと考えています。 次のシステム更新の際にはぜひご提案いただきたいですね」(菅谷氏)。
「更新後も開発担当の方と直接コミュニケーションをとりながら進めていけるので非常に助かっています。 今後もご協力を仰ぎながらさらなる利便性の向上を目指していきたいです」(鈴木氏)。より多くの人がつながる 「地域を代表する図書館」として、これからもさらなる利用者サービスの向上を図っていきたいです(菅谷・鈴木氏両氏)。

青森市民図書館 システムイメージ

  • 各学校からはインターネットを介して市民図書館と学校が同時に検索可能。

お客様情報

青森市民図書館 館内

図書館名 青森市民図書館
住所 〒030-0801 青森市新町1丁目3番7号
沿革 2001年1月 青森市民図書館移転開館
(青森駅前第二地区再開発ビル:愛称アウガ内)
2001年1月 油川市民センターに配本所を開設
2005年4月 浪岡中央公民館に配本所を開設
蔵書数 759,794冊(2011年4月時点)
ホームページ http://www.library.city.aomori.aomori.jp/acl/
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